2021-01-01から1年間の記事一覧

自我がキモい

自我をスプレッドしようとする行為全部が気持ち悪い、自我が隙あらば人間の内側から溢れ出して増殖しようとうごめいているのが垣間見えるたびに怖気がする、多数派の大看板を背負った時の人間は自我をバターナイフに取ってそこらじゅう塗りたくる行為に無自…

人体の嫌いなところランキング

10位 尻 ウケ狙いで作った形状としか思えない 9位 皮膚 膜感(まくかん)が強くてキモい 8位 髪 なんで頭の毛だけ無限に伸び続けるのか 7位 足 短い指がいっぱい生えててキモい 6位 へそ なにこれ 5位 腕 長くて草 4位 脳 諸悪の根源 3位 ワキ毛 意味不明 2位 …

鮮やかさ

お早うございます。プレシャスライフレコーズへようこそ。本日は「走馬灯」のご注文ということで。はい。はい。いえ、大歓迎でございます。今や「走馬灯」は死を間近にした時にだけ見るものではございません。むしろ未来に多くの時間を持つ方にこそ必要なも…

釈明

俺ぁお前さんみたいな高給取りじゃなくってよ 手取りでいったらお前さんがちょっと費いすぎちまった月のクレカ代 まあそんなところさ お前さんが可愛い女にしゃれた指輪の一つも買ってやろうかというような……そんな金で半年は食いつないでるってもんだ 幸い…

ンーン

サザナミインコの鳴き声を人間の音声言語に対応した文字で表すのは非常に困難だがあえて書くならピーではなくウィーとかフィーである。破裂音という感じがしないのである。サザナミインコの鳴き声は基本的に静かであり、セキセイインコのように粒の立った声…

子を生むことについて

子がほしい人は、なんでほしいんだろうか。かわいいから?いたら楽しそうだから?いないと寂しそうだから?老後を支えてくれそうだから?親に孫の顔を見せるため?少子高齢化に歯止めをかけるため?遺伝子の保存のため?それとももっと深遠な何かか? 私の親…

疾風迅雷・ピザ・バイク

土砂降りの雨が大地を殴り、烈しい雷が暗い空を粉砕し、人は癇癪を起こした子供をうんざりと見るような顔で足早に帰路を急ぎ、また実際に大気の鳴動すること幼い雷神が天上で泣き喚いているかのごとき凄まじさであった。 なす術もなく大雨と雷とに蹂躙される…

地球大進化

『地球大進化』は、2004年にやっていたNHKスペシャルの番組で、書籍化もしている。当時私は小学生で、この番組と書籍が大好きだった。内容を完全に理解していたとは到底言い難いが、何度も繰り返し見て、読んでいた。地球が極地から赤道に向かってどんどん真…

この世で一番うまい飲み物は冷たい水だと本気で思っている。高校の夏休み、太陽に灼かれながらばかでかい楽器を持って駆けずり回った後、深とした薄暗い廊下に設置されたウォータークーラーから飲む水の、極楽浄土で供される果実のごとき、冷たさ、濃い塩の…

飲酒

絶望的に酒が弱い。これは遺伝だからどうすることもできないが、酒の味(と、わかったような書きぶりをしても、実際にはリキュールなど甘い酒か、ごく軽い日本酒しか飲めない)は好きなのに、度数5%でもグラスに2杯ものめば朦朧となるから、気軽に飲むことがで…

休日

良く晴れた休日の午前中、洗濯物をすっかり干してしまった後、ベッドに寝転んで鳥を腹に乗せている時間に、私は心底満ち足りた気分になり、至上の幸福を感じる。これが本当だ、このために生きているのだという感じがする。冗談や誇張ではなく、死ぬ時はその…

裏道

中学の頃は友達と一緒に市営バスで塾に通っていた。実家の周辺は南関東出身者にストリートビューを見せるとガチの「困惑」の表情が返ってくる山奥の過疎タウンなので徒歩圏内に学習塾などという未来に資する施設は存在しない。 で、時々、塾の最寄りから二、…

不調

3月の後半はどうもずっと精神の調子がよくなかった。 私が精神の調子が悪いと言うのはだいたいこんな状態を指して言う。 ・血液が重くなる 血液がめちゃくちゃ重くなるので血液が通っている場所はすべて動かすのが大変になるのである。 ・眠い 眠い。 ・人が…

鳥島

その島の大地は柔らかな羽毛からなり、体温を持つので冬季でもおおむね温暖である。島は遠くから見ると海にぷかぷかと浮かぶ鳥の姿をしており、なだらかな背中の起伏の先に平べったい頭部があり大きな目があり嘴がある。島は飛びもすれば羽繕いもおこなう。…

望郷

東京は人が多い。圧倒的に多い。人が多いと良いことはたくさんある。店が多い。場所が多い。場所が多いというのは空間が広いという意味ではない。空間に与えられた役割が多いということだ。 地元には人が少なかった。当然子供はもっと少なかった。人が少なく…

最高

私のお優しい母上は毎年、大寒、つまり私の誕生日が近づくと5000円分の図書カードを下賜してくださります。誕生日プレゼントがおもちゃや洋服から図書カードに切り替わったタイミングは、さて中学生の頃か高校生の頃か覚えておりませんが、この5000円分の図…

成熟

他者に必要とされることを労働のモチベーションにできる人、まじですごくないですか? 「すごい」という言葉を使う時、そこには「おれにはできねえことをお前はできるのだな」という畏敬の念が含まれる。私は労働が嫌いだが、それでも労働に赴く動機を(そう…

拘束

労働が嫌いだ。労働が嫌いというのは、仕事内容が嫌いとか、職場環境が嫌いとかいった次元の一つ上にある感情で、労働の本質を私は嫌っている。つまり拘束。労働する者は拘束の対価に金品を得る。まず時間的拘束。その時間の中で何をするかは多種多様だが、1…