不調

3月の後半はどうもずっと精神の調子がよくなかった。

私が精神の調子が悪いと言うのはだいたいこんな状態を指して言う。

・血液が重くなる

血液がめちゃくちゃ重くなるので血液が通っている場所はすべて動かすのが大変になるのである。

・眠い

眠い。

・人が無理になる

なんでこんなにキモい生き物がいっぱいいるんだろう。

 

それでも義務と責任はあるので(最悪!)労働をした。重い指先でキーボードをたたきのめし、行き帰りは道端で眠ってしまわないようにひたすら歩きを止めないことだけを考え、桜はよく見ないうちに散った。構やしない。

そもそも気温が上がるのが気にいらない。上がるな。公転をやめろ。冬がいちばん良い季節なのだ。生き物に元気がない。動物も植物も「耐」の顔をしている。人は家に篭っている。静かだ。それが春ときたら、なんか知らんけど急にみんな元気になっちゃって、近所のそこそこ大きめの公園には区内全域からお年寄りと子供連れが集結して、春ですなあなんて言ってソフトクリームなんか食ってわさわさ歩き回って日光を浴びている、やめてくれ、そんな風にてんでばらばら動き回られるとブリューゲルの「子供の遊び」を見た時みたいに腹の底がソワソワしてその場から逃げ出したくなる。

それでも今回はギリギリ労働ができる程度の不調だから大したことはなかった、本当に調子が悪いと動けないし人と喋れないから休職することになるし休職すると金がなくなるからけっこう困る。

ハム太郎「結局のところお前は人に向いてないのだ。致命的でない程度の中途半端な不適応を抱えながら、さも適応しているかのような顔をすることで日々の糧を得て生き延びるしか術のない哀れな生物なのだ。でも安心するのだ。生物はみんな哀れでみんな滑稽なのだ。そしてあらゆるものはいずれ無に帰り、時間は止まり、完全な静寂が訪れるのだ。へけっ。」

どうせ生まれるなら鳥に生まれたかった。もっと美しく軽やかな生き物に生まれたかった、それがなんだこれは、なんだこの人とかいうやつは。鈍重で、飛ぶこともできず、姿かたちは不恰好で、表面はうす気味悪い質感、言うほど頭もよくなく、数だけはむやみに多い、そんな生き物の一員として、そんな生き物の社会(税金がバカほど高い)の中で生きていくしかないのか?この世に救いはないのか?

あります。不滅のあなたへの新刊がもうすぐ出ます。アニメも始まります。やったー!