自我がキモい

自我をスプレッドしようとする行為全部が気持ち悪い、自我が隙あらば人間の内側から溢れ出して増殖しようとうごめいているのが垣間見えるたびに怖気がする、多数派の大看板を背負った時の人間は自我をバターナイフに取ってそこらじゅう塗りたくる行為に無自覚でいられる、社会性社会性と唱えながら他の人間を自我を塗りつけるための壁か柱としか見ていないそういう矛盾に気付かずにいられる、やられる方はたまったものじゃない、怒るは怒るで疲れるから諦めてあたかもそれが面白い遊びであるかのようにハハハハと笑ってあるいは大袈裟に困った困ったと騒いでみせて家に帰ってから真顔でシャワーを浴びることになる、何より恐ろしいのは自分もまた同じ行為を他の人間に対してやっているに違いないことであり、それを思うたびにいっそ海藻になりたくなる、こんなことはもう一切やめにしてみんなで海に浮かばないか、何も思わず何も感じず互いに干渉することもなくサカナか鳥に食われるか朽ち果てるかするその日まで各自光合成でもしながら波に任せてたゆたっていないか、嫌ですか、すみません。