見た夢

引っ越しをした。今よりも少し広い部屋で、綺麗で、収納があり、折り畳めるベッドが作りつけてあって、2階だが、窓のすぐ外には畑が見える。おそらく建物に段差がついていて、つまり1階しかない部分と2階まである部分があって、1階しかない部分の屋上に畑があるのだ。よく見ると窓は部屋の入口側にもう一つあり、そこからは隣の部屋で何か作業している小母さんが見える。織機や染料があるから織物を作っているようだ。しかしその窓がある限り私が風呂上がりに全裸でうろつくなどすると小母さんに迷惑なので、カーテンで塞ぐことにした。

しばらく母と荷解きをしていると大家の女性が来て建物を案内すると言った。そこで部屋の中央には下に降りていく階段があることに気づいた。大家さんの後について階段を降りていくと階下はオレンジ系の明かりの、町屋が時代とともに増築を繰り返したような良い雰囲気の空間だった。そこにはバーカウンターがあってお兄さんが色々なパンを並べていた。そのパンはここの住人なら毎朝食べさせてもらえるという。お兄さんはまんじゅうをくれた。まんじゅうはココナッツパウダーとクミンシードが入っていた。カウンターの切り返し側はサウナだった。サウナにはおじさんがいた。サウナの横には小上がりになっていて畳敷きの、居間のような場所もあり、そこにはお姉さんがいた。天井の低い廊下の先には広いお風呂もあった。どうやらここはシェアハウスで様々な人たちが集まって暮らしているらしい。シェアハウスに引っ越したつもりはなかったが、朝食にパンが提供されるし、サウナも広いお風呂もあるなら悪くない。おじさんやお兄さんお姉さんとも是非仲のいい友達になりたい。社会人になってから新しく友達を作る機会はなかなかない。しかし一方で、朝から人と顔を合わせたり、家に帰っても人との交流が発生するというのはいささか面倒にも思えた。外に出れば否が応でもたくさんの人に遭遇するのだから自宅くらいは一人でいたいものだ。

とにかく建物の案内は終わって自分の部屋に戻った。よく考えると自分の部屋は階段を通じてサウナ等がある場所に直結しているのだから湿度が高いことこの上なかった。さらには自分の部屋と思っていた空間は実は半分は先ほど居間にいたお姉さんとは別のもう一人のお姉さんのものだとわかった。カーテンの仕切りだけがあって実質二人で一部屋を使うのだ。これはなかなか気の休まる時間がないな、どうしたものかと思っていると目が覚めて部屋には私と鳥しかいなかった。大変安心した。